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菅沼荘二郎紹介

 
寒山拾得
  
INDEX
2014年以降の作品  ・  海外の美術館へ送った手紙の内容
今までの個展作品他
菅沼の絵の初期から今までについて
プロフィール
水彩画作品
画風の異なる作品
菅沼が執筆した本
 
今までの個展作品他
ねこ 枝をつかむ
1970年 夢土画廊 1986年 中島ギャラリー 1986年 中島ギャラリー
人と鳥 とぶもの 子供とねこ
1991年 三重県鳥羽市立図書館 1991年 僕の空想美術館 1992年 渋谷パルコ
寒山 つる 円が浮く
1992年 スペースS 1996年 イマージングコレクション 2001年 スペースS
ぞう虫 寒山
2006年 インド大使館(グループ展) 2006年 インド大使館(グループ展) 2006年 インド大使館(グループ展)
 
菅沼の絵の初期から今までについて

 1970年の菅沼荘二郎初個展は具象形体の新しい取り組みで、1980年代に出てきたペンク、バセリッツといった新表現主義的な傾向と考えが共通のものがある。1973年の渡仏では素朴画的なものに向かったが、4年ほどして又もとの形式の絵にもどった。1980年代は自分のスタイルを続行してこのスタイルは現在に至っている。

 1990年代になって、水墨画のテーマである「寒山拾得」を自分なりに解釈して油彩、水彩で描いた。このテーマは禅との関係も深い。ニューヨークで2回の個展をしているが、この時もこのテーマである。ニューヨークでは画家兼文筆家のアーヴィング・ステットナー氏と知り合いになった。氏と親しくなるにしたがって、氏と大変懇意にしていた作家のヘンリー・ミラーに関して色々知るようになる。ミラーはダダイズムの精神を強く持った人であるが、このダダと禅とがどこかでつながっているように私には思われた。この後、私は3冊の簡単な本を印刷しているが、ここで禅、現代アート、東洋、日本での創作に触れている。

 日本の美術を考えるうちに「へなへな、ふにゃふにゃ」という言葉を考えた。日本では美術を創作する時、自然に対しておそるべき柔軟性を持っているように思われる。この事を「へなへな、ふにゃふにゃ」という言葉で考えて見た。現代アートとこの柔軟性は魅力あるように思われる。この事が自分の創作においてどのように関係していくかはまだはっきりしない。

 
プロフィール
1938年 長野県諏訪市に生まれる。
1960年代 光風会研究所他でアカデミックな勉強の後、海外のポップアート、アンフォルメルの刺激を受ける中、新表現主義的なものを思索。
1970年 夢土画廊で新表現主義的な絵を発表。
1973年 現代的なものに疑問を感じる。素朴画的なものを始める。
1974年 一年間パリ留学。
1975年 素朴画的な絵ではあるが、表現主義的なものに少しずつ戻る。
1978年 円鳥胴で素朴画的な要素をのこしてはいるが表現主義的な絵を発表。
1980年 西武美術館でクレー展を見たのをきっかけに1970年代に描いた絵に戻る。
1986年 中島ギャラリーで新表現主義的な絵を発表。
1989年 NYへ行く。ヘンリー・ミラーの友人アーヴィング・ステットナー氏を知る。
1991年 三重県鳥羽市立図書館で新表現主義的な絵を発表。
1992年 この頃より「寒山拾得」のテーマにとりかかる。このテーマを続けるうちに禅と現代アートの関係に興味を抱く。
1995年 寒山詩をテーマにNYで個展をする。 CAST IRON GALLERY  SOHO
1996年 寒山詩をテーマにNYで個展をする。 THE EMERGING COLLECTOR
2001年 禅と現代アートについて書いた「となり町の寒山」A5版88頁を発表。
11月スペースSで個展。
2003年 「ヘンリー・ミラーの絵とアーヴィング・ステットナーの絵の気楽さ」A513を発表。
2006年 「へなへな ふにゃふにゃへの絵画」A511頁を発表。
2009年

「となり町の寒山」・禅と現代美術・を水声社で出版、主な本屋さんに並ぶ。

2015年 フリーアート 禅の心でよむ現代芸術 ヘンリー・ミラー、ニーチェ、ジョン・ケージ、ビートたけし を水声社で出版
2017年 海外の美術館に「フリーアート」と菅沼荘二郎の画集を送付。
2018年 メトロポリタン美術館より「フリーアート」の内容と菅沼荘二郎の画集の絵を評価され、同美術館の図書にフリーアート」が加わる。
 
水彩画作品
ねこ 人とねずみ 水鳥
     
追う ねこ 無題
 
画風の異なる作品
バラ バラ
  
善福寺川公園 豊橋の公園 豊橋の公園
  
善福寺川公園 スペインのロバ人形 チェコの人形
  
菅沼が執筆した本
「となり町の寒山」 禅と現代美術 著者 菅沼荘二郎 水声社 2009年12月10日発行 2000円
紀伊国屋、三省堂、ジュンク堂など主な書店で販売されています。
この本は菅沼が今まで20年間にぼつぼつ書いてきたものを水声社で編集し、出版したものです。
  
今まで自分が作った本
「となり町の寒山」 ・・・A5版88ページ
「ヘンリー・ミラーの絵とアーヴィング・ステットナーの絵の気楽さ」 ・・・A5版13ページ
「へなへな ふにゃふにゃへの絵画」 ・・・A5版11ページ
   

 この3冊の書は私の絵画の方向性、私の絵に対するコンセプトのようなものである。
 現代文明の曲がり角において、東洋、日本での美術の場作りの意味合いもある。
 1989年、私はニューヨークでアーヴィング・ステットナーと言う方と知り合い親しくして頂いた。彼は詩人兼画家で「ストローカー」と言う手作りの雑誌を20年近く出版していた。彼は1980年に亡くなった文豪ヘンリー・ミラーと友人でありミラーが晩年の頃特に親しくしていた。ステットナー氏にミラーのことを色々教えられ、彼らのことを研究する機会を得た。
 ユニークな小説家で知られるヘンリー・ミラーは、一方において禅に対して強い興味を持っていたと言う。ミラーは1930年代パリにいて日本の禅者、鈴木大拙の英文で書かれた「禅仏教入門」を読んでいた。ダダ的な色彩の強い小説を書く彼の胸中は現代文明に強い危機感を抱いていた。合理論、テクノロジーの一方的な追求を推し進める西洋的な展開に対して、宇宙論的な世界、本来の人間の原始性を重要視する東洋の世界観は魅力あるものだったようだ。
 私は今、現代のこれからの世界観として「ふにゃふにゃなもの、へなへななもの」を考えている。この言葉だけでは意味不明である。しかしこの言葉は私の思索世界で重要な大きさを持っている。この言葉はヘンリー・ミラーやアーヴィング・ステットナーの存在とどこかで共鳴するところがあるような気がする。
 私の書いた3冊の本はこのことに触れているつもりだ。

菅沼 荘二郎 筆